モンテッソーリ教具とおもちゃの違い
モンテッソーリ教育を取り入れようと考えたときに、モンテッソーリ教具を購入する必要があります。しかしモンテッソーリ教具は高額なものがほとんどです。確かに本物だけが持つ魅力がありますが、子どもの成長をどう援助するかという目的を吟味すれば、手作りのものや100円ショップで購入したものでも立派な「教具」になります。
教具とおもちゃの違いを理解し、子どもの成長をどう助けてくれるのか、どう教具を扱うのかを親が理解することで自宅でもモンテッソーリ教育を取り入れやすくなると思います。
<目次>
・モンテッソーリ教具と玩具の違い
・モンテッソーリ教育の「5つの分野」に沿った教具の紹介
◦日常生活の練習
◦感覚教育
◦言語教育
◦算数教育
◦文化教育
・最後に
モンテッソーリ教具と玩具の違い
・「おもちゃ」は自由気ままに扱えて、子供を楽しませることに使用目的として持っています
・「教具」は子どもの内なる力を成長させることを目的として持っています
日常生活のなかで、子どもが夢中になって何かに取り組んでいるというのはまさにモンテッソーリ教育における「学び」の最中です。
そして子どもの発達・成長に必要な活動であるこの「学び」を楽しく繰り返し成長が実感できるように追求したものが「教具」です。
モンテッソーリ教育の「5つの分野」と教具の紹介
1.日常生活の練習
日常生活の練習とは子どもが家事や自分の身体をコントロールできるようになるための練習のことです。
また自分の生活を依存から自立へと成長させ、精神的にも自立する心を育てることも目的です。
教具 | 縫いさし |
内容 | 縫いさしは台紙に穴をあけて、針に糸を通し、台紙を縫っていく作業です。 |
目的 | 目と指先の連携強化、指先の感覚を洗練させる。 |
教具 | ボタンとめ |
内容 | フェルトにボタンを取り付け、両手を使ってボタンをとめていく作業です。 |
目的 | 指先を動かす練習、集中力を養う。 |

2.感覚教育
子供は3歳から6歳の間に、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚の五感が著しく発達する特別な時期があります。
感覚教育により、脳の前頭葉が活動して「ものを観察する能力」や「ものを考える方法」を身につけていきます。そしてそれは「言語・算数・文化教育」などの知的教育分野の基礎となります。
教 具 | 色合わせカップ |
内 容 | 色のついたカップの中に同じ色のものを入れる作業です。 |
目 的 | 同一性・比較・分類ができるようになる。 |
教 具 | 実物合わせ |
内 容 | 動物のレプリカと紙の絵を一致させる作業です。 |
目 的 | 五感で感じた情報を言語へと変換する。 |

3.言語教育
様々な敏感期の中でも1番長いのが「言語の敏感期」です。
自分の「言語の敏感期」に合わせて周りの言語や環境により母国語を習得していきます。言葉の量や質は環境に左右されやすく、発達段階に合わせて語彙を豊かにしていきます。
教 具 | 絵合わせ |
内 容 | 絵と文字のカードを対にしていく作業です。 |
目 的 | 語彙を増やし、文字とリンクさせる。 |
教具 | 50音並べ |
内容 | マグネットに50音を記し、それをあいうえお表の上に組み合わせていく作業です。 |
目的 | 文字の存在を知る |

4.算数教育
子どもはある時期がくると、数字を数えたくなったり書きたくなるという「数の敏感期」がやってきます。
どっちが多い・少ないなどの量にこだわるのもこの時期であり、多くは4〜6歳頃にあらわれ、同時に感覚の敏感期にも入っています。
教具 | 算数棒 |
内容 | 同じ太さの棒に赤・青と交互にカラーテープを巻き、1〜10の10本を作り並べていく作業です。 |
目的 | 長さが均等に長くなっていくことで、数と量の関係を体感できる。 |
教具 | 100のくさり |
内容 | 1から声を出しながらビーズの数を数えていき、10になったら10の札をつけて100になったら大きな100の札をつけていく作業です。 |
目的 | 100まで実物を数えることで、連続性が身につく。 |

5.文化教育
モンテッソーリ教育の文化教育は、言葉と数以外を対象とした幅広い分野への教育のことを指します。
歴史や地理地学、植物といった分野が含まれ、生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など多岐にわたった能力を育みます。
教具 | 国旗の絵本 |
内容 | 国旗に関連する教具はいくつかありますが、導入としては国旗の絵本がおすすめです。 |
目的 | 場所と国旗、国の名前を照らし合わせる。 |
教 具 | 成長モデルフィギュア |
内 容 | 動植物の成長過程について視覚的に学習する作業です。 |
目 的 | 生物の成長過程を理解する。 |

最後に
この記事では、モンテッソーリ教具とおもちゃの違いと「5つの分野」に沿った教具ついて紹介しました。
効果的にモンテッソーリ教具を使用するにも、「今のこの子は、こういうことに興味があって、この敏感期なのかな?」といったように、子どもの興味や発達状況をよく観察しましょう。
その都度、適切なモンテッソーリ教具を選んで遊ばせてあげることで効果的に知育をすることができます。
最後に、100均の道具でできるハンドメイド教具の参考サイトを載せておきます。
【1歳向け】モンテッソーリ教具10選!100均グッズで簡単手作り
2歳向けおうちモンテッソーリ教具12選!100均で作れる例も紹介
参考
モンテッソーリ教具とおもちゃの違い。「5つの分野」に沿った教具を目的別に紹介します
モンテッソーリ教育における5つの分野とは?子どもの自主性を伸ばす教育メソッドを解説
教具とおもちゃの違いについて
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